あらすじ
『かねてから構築に問題あると思われる銀河系64129は、やはり問題が発生しておりました。草々円盤0605号より』
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
主人公ハシは事故の後遺症で破片が脳に残っている為に「嘘がつけない」症状を持っている。思った事をそのまま口にする為、他者とのいさかいが絶えないために入院している。その他、それぞれ異なる疾患を抱えた患者と玉木ドクター。未だ脳の疾患と精神異常がごちゃ混ぜにされている世の中で、何が人の心を傷つけるのか、と言う事が描いてあり、そこから脱するのは自分の心なのだ、と言う事が一切押しつけがましくなく作者のテイストで描かれている。時にシュールに、時におとぎ話の様に、時にギャグ漫画の様に。
患者を導くべき医者の玉木が失踪する。破片を取り除く手術をすれば元に戻れる確率は50%と言われていたハシは、玉木失踪後に手術を勧められ、選択するには自分を診てくれていた玉木の助言が欲しいと願う。玉木は女装癖及び自分の性癖に悩み、失踪したのだ。自分が分からない医師が患者を診る事などできない、と。玉木の言葉以外でそのような描写は一切されていないが、玉木が「ただ女装が好きなだけなのか」「自分はゲイなのか」「かと言ってハードルの高いものを好む性癖ではなさそう」とまだ迷い続ける中、その一端を担ったのがハシの存在であり、ハシを好きになってしまうかもしれない自分から逃げたと言う告白をしている。
人と違う事、人に理解されない事は人間である以上苦痛を伴わない訳がない。どんなに正直に告白しても信じて貰えない時もある。隠し続けても見透かされる場合もある。なぜ自分はいつまで経っても人と同じになれないんだろう、自分だけ違ってしまうんだろうと考え続ける大人が読んで欲しい漫画だ。
Posted by ブクログ
いい漫画過ぎでしょ……! ハシ君の言葉の一つ一つが心を締め付けてくる。僕も愛されたい愛されたいばかりじゃなくて、人を愛することをしたいと思った。全部愛したい。
Posted by ブクログ
わたしだって「愛されたい」ばかりじゃなく
「愛したい」。
母親の右手はこどもを撃つためではなく、
触れて抱きしめてあげるためにあるのに
どうして気づかないんだろう。
みんな、自分に価値が欲しくて、
でも価値は絶対的なものではなく、相対的なもので。
人と比べることでしか自覚できなくて。
ああ、なんて愚かで愛しいんだろう。
望月ミネタロウの他の作品は、読んでいると
頭の中がむずむずするのだけれど、
これは胸にすとんと入ってきてすごく心地よかった。
3巻でまとめたところも秀逸。
何度も読み返してずっと手元に置いておきたい。
Posted by ブクログ
ハシは死んだんか…
悲しいな
キャラの中では玉木先生が好きかな
何を基準に疾患や病気と位置付けるのか
多数が正しくて少数が間違っているように
まわってる世界
間違いなんて本当は無いし
答えも無いと思う
正直に生きることが
ダメな生き方とは思わない
ハシの1個目の漫画
自分が化け物かと思いきや
本当は周りの人々全員が死んでいた
逆の立場だった
2個目の漫画
みんなが嫌って除け者にした
空を飛べるペンギンスカイウォカーは
彼自身が特別なペンギンだったわけではなく
環境の変化でどのペンギンも飛ぶことが
できるようになるという設定だった
生きてる世界が狭すぎて
それを知らないペンギン達…
狭い世界から孤独や不安に打ち勝ち
飛び出したスカイウォカー
その勇気があったということはある意味
特別ペンギンだったということになるのか
本のデザイン
色の感じ
全体の世界観
に惹かれて
古本屋さんで購入しました
ドラゴンヘッドの作者の方だったことは
あとで知りました
Posted by ブクログ
脳の疾患・障害によって、一般人とは物の見え方が違う、
あるいは誤解を招く言動に走りがちでトラブルが絶えない、
そんな子供~若者たちの話。
3巻(最終巻)はカタストロフへ向かうのか、
それとも何も起きずにフニャッと終わるのか……
と思って読み進めたら、いい意味で期待を裏切られた。
「ひとりぼっち」であることを自覚した「まりちん」の心の叫びと、
彼女を救いたいと願う英雄(ひでお=10歳♂)の奮闘が切なくも美しい。
英雄の心象風景が物語全体を包括するかのような〆も個人的に好み。
スタージョン『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』を連想した。
それにしても「未確認ランチ」いいなぁ!
ご相伴に与りたい(笑)