【感想・ネタバレ】小澤征爾 覇者の法則のレビュー

あらすじ

なぜ彼だけが「世界のオザワ」となり得たのか。構想十数年、カリスマの秘密を徹底解明。
ラグビーに夢中だった子供時代、無鉄砲な海外武者修行に飛び出した青年時代。カラヤン、バーンスタインといった巨匠からの絶賛。N響との対立という試練。数多の浮沈を経て、音楽界の最高峰・ウィーン国立歌劇場音楽監督に登りつめた世界のマエストロ・小澤征爾。その知られざるエピソードを辿りながら、「説得力という不可解なオーラ」「文法的に正しい正確で論理的な思考法」「動物的な意志」など、指揮者としての成功を生んだ秘密に迫ります。小澤流「逆境を味方にする力」の方法論です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

80歳のセイジオザワ・バースデーコンサートに出演するにあたって勉強と思い読んだら、これは面白い。

父、開作の人生や、母、さくらの考え方、征爾の名前の由来、一家の中でのアコーディオンの存在、斎藤秀と桐朋学園など、知れて良かったと思える発見がたくさんあった。

小澤征爾の才能を開花させる契機を作った小澤一家、教師の斎藤秀雄、そして与えられた契機を最大限に生かし、成果を結実させていった征爾自身の積極的かつ誠実な行動についてわかる一冊。

0
2015年10月25日

Posted by ブクログ

元ケンウッド役員で、音楽プロデューサーの著者による小澤征爾論。音楽業界の裏まで知る著者の話は興味深い。若い頃から自ら行動し、チャンスをつかみ取ってきた小澤征爾さんの生き様が伝わってきた。生き方として誰にも参考になるように感じる。

0
2024年03月04日

Posted by ブクログ

小澤征爾の歩んだ人生の軌跡から、普遍的な成功法則を見つけてみようというスタイルで書かれている。経歴を淡々と書いていくというスタイルよりは遥かに良いが、本書は著者の主観が強く出過ぎる嫌いがある。

そもそも、たった一人の人物の人生を追って、その成功の秘訣を探ろうとしても、結局それは後付けでそれらしく説明しているだけであり、一般化できるものではない。失敗した対象を見ずに、成功した対象のみを基準に判断をしてしまう「生存者バイアス」のかかった成功法則は、法則のように見えても法則にはなり得ないのである。

そういった法則を探ることは保留してみれば、小澤論として悪い出来ではない。小澤征爾に興味のある方は読んで損はないだろう。

小澤のそれぞれの時代の音楽性に対する評価・評判(演奏や音盤に対する評価など)を入れた方が、立体的に小澤像を描き出せ、読者は小澤征爾という音楽家をより理解しやすくなったのではないかという思いはあったが。

ちなみに私は、中野氏の著作は、本書でも何度も名前が出てくる「指揮者の役割」、「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」を始め、「クラシックCDの名盤シリーズ」(新・旧含めすべて)、「モーツァルト 天才の秘密」など、ほとんどを読んでいるため、その文体、考え方に馴染みがあったが、初めて読む方は固いと感じるかもしれない。

小澤に関する本を初めて読むのであれば、読みやすく、世評も高い(ベストセラーで判を重ねている)、「ボクの音楽武者修行」を先におすすめしたい。

0
2023年07月23日

「ノンフィクション」ランキング