作品一覧

  • 漂着物、または見捨てられたものたち
    NEW
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    巨大なアンテナ設備の近くにある家で、幼い娘を育てる父親が体験する数々の異変(「アンテナ」)、なにげなく漂着物を砂浜に埋めたことで老夫婦が巻きこまれる思わぬ事態(表題作)、中年になり帰郷した男が振り返る、キャンプ場で姉と過ごした子供時代のあれこれ(「海辺のうた」)……。海沿いに点在する無人の家、大潮の日にだけ行ける入り江、漂着物が絶えず流れ着く砂浜、さびれたキャンプ場……英国コーンウォールの海辺に見られるありふれた場所では、ふとしたはずみに幻めいた現象が起こり、もの哀しくも美しい物語がいくつも紡がれる。現実と幻想の境目で生まれた、いずれも忘れがたき13の短編を収録。サマセット・モーム賞受賞作『潜水鐘に乗って』に続く、珠玉の第二短編集。/【目次】空っぽの家/アンテナ/すぐの未来に/帰郷/出て行け/ソルトハウス/漂着物、または見捨てられたものたち/波乗り/嵐の日/死者たちの年/ケーブル/海辺のうた/漂流するクラゲたち/謝辞/解説=石井千湖
  • 潜水鐘に乗って
    3.7
    1巻2,970円 (税込)
    【サマセット・モーム賞受賞、ホリヤー・アン・ゴフ賞受賞】48年ぶりに夫と再会するため、旧式の潜水鐘で海にはいっていく老婦人(表題作)、身体が石になる予兆を感じた女性が過ごす最後の一日(「石の乙女たち」)、やがて巨人になる少年と、人間の少女のなにげない日常のひととき(「巨人の墓場」)、数百年を生き、語るべき話を失いながらも再び物語を紡ごうとする語り部(「語り部(ドロール・テラー)の物語」)……妖精、巨人、精霊、願い事をかなえる木、魔犬……さまざまな伝説や伝承がいまなお息づく現代の英国コーンウォール地方を舞台に、現実と幻が交錯する日々をあるがまま受け入れ、つつましく暮らす人々の姿を、新鋭ルーシー・ウッドが繊細かつ瑞々しい筆致で描く12編を収録した短編集。/【目次】潜水鐘に乗って/石の乙女たち/緑のこびと/窓辺の灯り/カササギ/巨人の墓場/浜辺にて/精霊たちの家/願いがかなう木/ミセス・ティボリ/魔犬(ウイシット)/語り部(ドロール・テラー)の物語/訳者あとがき=木下淳子
  • 壜のなかの永遠
    値引きあり
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    1巻954円 (税込)
    謎多き女探偵が活躍する幻想歴史ミステリ!  1863年のロンドン。探偵と外科医の看板を掲げる女性ブライディのもとを、ある貴族の主治医が訪れた。彼は「館で秘密裏に育てられていた準男爵の娘がさらわれてしまった」と言う。娘の詳細を明かされないままの捜索依頼に戸惑いながらも、ブライディは彼女の前に突然現れた「ルビー」と名乗る元ボクサーの幽霊とともに、少女の行方を追うことに。しかし調べれば調べるほどに、ブライディは迷宮に嵌まり……。  英国の新星が、アイルランドの人魚伝説とビクトリア期ロンドンの誘拐事件をファンタジックに描く、時空を超えた歴史ミステリ。
  • 潜水鐘に乗って

    Posted by ブクログ

    『潜水鐘に乗って』
    著者 ルーシー•ウッド
    訳者 木下淳子 

    この本は、ルーシー・ウッドの出身地である、英国コーンウォール地方のさまざまな伝説や伝承を元に紡がれた12の短編集になっています。
    イングランドのコーンウォールという、その国、その地、独特の物語があります。
    装丁画の持つ雰囲気と解説に惹かれて購入し、ゆっくりと時間をかけて読み進め、堪能しました。
    静けさの中に、時を生きた人々の想いを感じられるお話が心に残ります。

    【目次】より。
    潜水鐘に乗ってー48年ぶりに夫と再会するため、
        旧式の潜水鐘で海にはいっていく老婦人。
    石の乙女たちー身体が石になる予兆を感じた女性
        が過

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    2024年07月19日
  • 潜水鐘に乗って

    Posted by ブクログ

    短編集12編
    イギリス,コーンウォール地方の伝承などを元にして幻想と現実が混じり合ったような味わいの物語.家に住み着く精霊や変身譚など変化に富む内容.少しわかりにくいのや,単に認知症なのでは?というのもあるが,面白かった.
    鐘の潜水艇に乗って50年も前に海の底に沈んだ夫を探す表題作,孫オスカーと洞窟に住む祖母との交流を描いた「浜辺にて」が良かった.

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    2024年10月02日
  • 潜水鐘に乗って

    Posted by ブクログ

    イギリスの幻想小説ですね。
    作者はルーシー・ウッドさん、イギリスのコーンウォール出身。この作品がデビュー作です。サマセット・モーム賞、ホリヤー・アン・ゴフ賞を受賞。
    訳は木下淳子さん翻訳家。
     木下淳子さんが、原書を読まれて是非とも日本で出版したいと形になった本です。木下淳子さんは訳出するにあたって、コーンウォールを訪れた事が無いので、井村君江さんの『コーンウォール 妖精とアーサー王伝説の国』を参考にされたそうです。情熱と愛着の結晶ですね。
    「ルーシー・ウッドが故郷の自然や風土、そこに息ずく伝説を愛情深く生き生きと描き出していることがわかった」とあとがきで記されています。
     十二編の短編は、伝

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    2024年08月04日
  • 潜水鐘に乗って

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ディケンズの「大いなる遺産」のピップの故郷が思い浮かぶような背景で描かれる「魔犬」が特に印象に残った。孤独な雰囲気をまとう父と娘が、ある夜、寒く暗い荒地を歩いて流星群を見に行く…その情景が切ないほど美しいと思った。

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    2024年12月19日
  • 潜水鐘に乗って

    Posted by ブクログ

    理屈で読んではいけない一冊。「浜辺にて」くらいまではあまりの謎世界ぶりに混乱してばかりだったが、訳者あとがきを読んでようやく、英国風の妖怪奇譚と捉えればよいのだとわかった。それにしてはどれもこれも、人間の女性の寂寥感に溢れすぎているのだが。

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    2024年07月31日

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