デイヴィッド ブルックスの作品一覧

上下巻ともに、折に触れて読み返したい名著だと思いました。
アダムⅠとアダムⅡが統合される日が、私には来るのだろうか。来ると信じて、両面での努力を続けられる人間になりたいものです。

「大きな私」が常態化している現代に生きる私にとって、内省させられることが多かった。折に触れて何度も読み返したい本であり、迷った時の指針になるような本であるように感じた。下巻も楽しみ。

謙虚についての表現、
人生には、他人への愛情と自分の在り方で
幸福度が左右する。時には心情に正直に、自制も必要。
漠然とした、なんとなくかは、的を得た表現で心を打たれた本だった。

下巻も素晴らしい。この本の効用は、過去の人物を新たに知ることができることだ。名前だけは知っている有名な偉人から、アメリカでは著名な人物かもしれないが、あまり知られていない人物の生きざまを躍動的に、淡々と語ってくれている。
著者も触れているが、いつの時代でもカウンターカルチャーを叫ぶ人がいて、その活動は一目を置かれる。本書もある意味カウンターカルチャー的な本である。現代の主流であるアダムⅠを称賛するものではなく、アダムⅡを称賛している。
アウグスティヌスの『告白』をはじめ、本書に登場する書物を読みたくなる。
しかし、我が家の一画には、まだ読まれていない本が多々あり、そちらから読むべきなのだ。寝る...続きを読む間を惜しんで読まないと読み切れない。とほほ。

人間の美徳は大きく分けて二つあると著者は語り掛ける。一つは「履歴書向きの美徳」。キャリアで成功を勝ち得そうな他人から見てわかりやすいもの。もう一つは「追悼文向きの美徳」。あなたの葬式の時に、集まった人たちの思い出話の中で語られる美徳。より奥深く人間の核となるもの。前者をアダムⅠ、後者をアダムⅡと呼び本書はアダムⅡの本だとはじめに示される。もう、この文を読んだ時から興味深々、手に取って読まずにはいられなくなる。そして、アダムⅡを大事に生き抜いた人を一人一人丁寧に紹介していく。とかく、アダムⅠに注視し、もてはやしがちだが、どちらのアダムも大切な美徳なのだ。現代社会で忘れがちなアダムⅡを実践すること...続きを読むとは、どういうことなのかを、その人の生きざまから浮き彫りにしていく。
上巻では、フランシス・パーキンズさん、ドワイト・アイゼンハワーさん、ドロシー・デイさん、ジョージ・マーシャルさんが登場。いずれも、簡単にまねはできないが、自分もそうありたいと思うところが多々ある。

誰かに最近読んだ本でお勧めある？と聞かれたら本書を紹介したい。