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冷戦構造の終焉、アメリカ覇権の衰退、経済相互依存の進展--。激変する情勢のただなかにある現代、我々はどこへ向かうのか。国境が薄れた「新中世圏」、なお国民国家たらんとする「近代圏」、秩序が崩壊した「混沌圏」に国々を分類、移行期にある世界を独自の視点で鋭く分析する、刺激的な論考。ヨーロッパ中世になぞらえた「新しい中世」の概念を駆って、ポスト近代の世界システムの構想に理論と実証で迫る。
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Posted by ブクログ
マルクス・レーニン主義はロシア革命と同様の革命を世界に拡大し、すべての国家を打倒することを最終目標とした。自由主義側にとっての潜在的脅威となり、互いに対する猜疑心によって冷戦構造が形成された。 冷戦の終焉により世界は米ソ二極構造から多極構造へ変化した。二極と多極とどちらが安定するかは諸説ある。 現代...続きを読むは軍事・経済技術の発達高度化に加え、多極化による利害関係国の増加、その関係の相互複雑性が増し、互いへの相互依存が進む世界である。さらに宗教や部族など非国家組織と国家との相互依存性も進んでいる。喧嘩による痛みは互いに増しどこに飛び火するかも分からない。 冷戦終焉後は国連、核不拡散条約、自由貿易体制の堅持といった国際レジームが多くできたが、世界政府による一元統治ではなくあくまで多元的である点が特徴である。 中世は国家や国民といった単一的帰属意識が希薄であり、相互の関係性も敵対友好という単純なものではなかった。冷戦終結後の世界はこれと似た新しい中世に移行しつつある。
世界システム論というのは大仰でやや胡散臭い。 しかし、その印象を超えて説得力のある論を展開してくれた。 何より本書の初出は1996年で20年も前であるにも関わらず 今もその射程が先を照らしているというのが力強い。 ここで想定されている「新しい中世」の特性は一言で言えば 多様なアクターによる相互依...続きを読む存を前提とした世界だ。 そこでは国家のコンフリクトによる大規模なものよりは 小規模な衝突のほうが起こりそうな世界が想像されている。 ただ、この著者の本当にえらいところは、 こうした世界に移行しつつあるのであって、 こうした世界が一気に来るという主張はしないし、衝突の規模においても、 どこまでありうるかという条件付けについてきちっと押さえている。 方法の限界をわきまえるというのは 知的誠実性にとって、とても重要なことだ。 そうしたさまざまな制約と限定を越えて それでも言えることは確証を持って言うというのはとても好感がもてる。
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田中明彦
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